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カメラを使って撮影するシーンは様々です。
その中でも夜景の写真というのは、人の心を動かす、幻想的な光景を写すことができることで人気を集めています。
しかし、カメラは基本的に暗い場所を苦手としています。
夜景は暗い撮影環境になることが多く、日中と同じように撮影することは困難です。
そこで今回は夜景撮影について撮影に関する基本知識やおすすめのカメラ、レンズなどを初心者にも優しく解説していきます。
もくじ
美しさ際立つ「夜」の景色
思わず「あっ、きれい」と思ってしまう夜の写真は多いのではないでしょうか。
暗闇の中に浮かび上がる様々な色の光は、カメラを使って写すことで、目で見るよりもきれいに見えることもあります。
そして、夜景の撮影というのは、撮影者の工夫によって色々な変化を加えることができるため、日中よりも表現の幅が広がるシーンでもあります。
一眼カメラを使って夜景を撮影しよう
近年では、スマートフォンのカメラにおける性能も向上していますが、夜間の撮影において一眼カメラには到底及ばない性能です。
夜景を美しく撮影するのであれば、一眼カメラは必須のアイテムと言えます。
一眼カメラには色々な種類が存在することや、カメラレンズを組み合わせて使用する必要があるため、機材の組み合わせなどは考える必要があります。
夜景撮影で使いたい機材の選び方
初心者にとってどのカメラを選ぶべきかというのは悩ましい問題です。
近年販売されている一眼カメラは、どのモデルにおいても非常に優秀で、日中の撮影においては、ほとんど性能に差がでないほどです。
しかし、夜間の撮影は、日中よりも厳しい撮影環境になるため、カメラにより性能差が大きく出るシーンと言えるでしょう。
ここからは夜景撮影において注目しておきたい性能の解説とともに、夜景撮影に向けたカメラやレンズの選び方についてご紹介していきます。
カメラは高感度撮影に強いフルサイズがおすすめ
一眼カメラには、光の情報を集めるためのイメージセンサーが搭載されています。
イメージセンサーは、カメラによって大きさ規格が異なり、一般的にはAPS-C、フルサイズ、マイクロフォーサーズの3つに分かれています。
夜景撮影では、その中でももっとも大きいセンサーサイズとなる「フルサイズセンサー」を搭載したモデルがおすすめです。
センサーサイズが大きいことで、光が少ない夜間でも小さいセンサーよりも多くの光を拾うことができるため、夜間撮影において圧倒的な性能差があります。
センサーサイズの違いについてはこちらで詳しく解説
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レンズは開放絞り値が低い明るいレンズがおすすめ
夜景撮影においてはレンズ選びも重要になります。
どのようなシーンを撮影するかによって広角、標準、望遠などの選択肢が分かれるところですが、いずれのレンズ種類においても「明るいレンズ」が有利になります。
明るいレンズというのは開放絞り値(レンズ名に入るF値)が低いレンズが該当し、ズームレンズであればF2.8などが明るいレンズとして該当します。
単焦点レンズの方が開放絞り値に優れたレンズが多く見られますが、画角は固定となってしまうため、その場で撮影できるバリエーションというのは狭まります。
絞りについてより詳しく解説した記事はこちら
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夜景写真におすすめのカメラ
カメラやレンズの選び方をご紹介したところで、ここからはおすすめのモデルをご紹介していきます。
実際に私が使用してきたカメラを中心に、最新モデルかつ夜景撮影におすすめの機材を厳選してご紹介します。
Canon EOS R6
好みに個人差はありますが、個人的に夜景撮影で一番おすすめのボディが「Canon EOS R6」です。
キヤノンが次世代の主力シリーズとして開発したミラーレス一眼カメラですが、これまで一眼レフカメラで培ってきた技術力を基に高性能を実現しました。
高感度時における描写の安定感やノイズの少なさはもちろん、夜間だからこそ見やすさが要求される電子ビューファインダーも、これまで私が試してきたミラーレス一眼の中でもトップクラスだと感じました。
そしてEOS R6では、EOSシリーズで初となるボディ内手ブレ補正機構を搭載し、その効果は初にして世界最高の8段分を実現しています。
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Canon EOS 6D Mark II
キヤノンの一眼カメラシリーズの中でも一眼レフタイプから選ぶのであればEOS 6D Mark IIがおすすめです。
キヤノンでは更に上位モデルとしてEOS-1D X Mark IIIやEOS 5D Mark IVも存在しますが、夜景撮影においてはこちらのEOS 6D Mark IIも同等の性能を発揮します。
特に高感度撮影においては、フルサイズ入門ながら優れた描写性とノイズ軽減能力を実現した優秀なモデルです。
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Nikon Z6
Canon EOS Rシリーズと並ぶようにして登場したニコンのミラーレス一眼「Nikon Z6」。
こちらもニコンがこれまで一眼レフ開発で培ってきた技術力を基に、能力の高いモデルへと仕上がっています。
一般的なカメラではISO6400を超えた辺りで画像上にノイズが目立ち始めますが、こちらのNikon Z6は、ISO6400以上の高感度撮影においてもノイズが目立たない優れた描写を叶えています。
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SONY α7 IV
SONYが展開するミラーレス一眼カメラの中でも代表モデルとなる「SONY α7 IV」。
スタンダードモデルの位置付けとなるモデルですが、あらゆる性能面で優れた能力を実現し、夜景撮影においても恩恵を感じる場面が多いです。
画像上における描写の滑らかさは今回おすすめしている他の3モデルと比較して優れており、あらゆるシーンで安定した描写を実現します。
SONY α7 IV実写レビューはこちら
夜景写真におすすめのレンズ
続いて夜景写真におすすめのレンズをご紹介していきます。
基本的には広角、明るい開放絞り値、手ブレ補正の搭載(標準以上の焦点距離の場合)が望ましい仕様となります。
Canon EF16-35mm F2.8L III USM
夜景撮影において広角の画角かつ明るいレンズの定番として選ばれている存在の一つがEF16-35mm F2.8L III USMです。
キヤノンが誇る高級「Lレンズ」に属しており、安定した品質と優れた解像力、描写が魅力的なレンズです。
夜景撮影においても、その場の雰囲気を写したいときに効果的な広角レンズで、キヤノンのユーザーにおすすめの一本です。
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SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM
カメラメーカー純正レンズとは別に、マウントに合わせてレンズのみを開発するサードパーティーレンズも魅力的です。
シグマは、サードパーティー製レンズメーカーの中でも高いクオリティを叶える人気のレンズメーカーで、私もお気に入りです。
こちらの14-24mm F2.8 DG HSMは、純正レンズにも劣らない高い解像力と、ズーム全域でF2.8通しを実現した明るいレンズで写真へこだわりを持ったユーザーからも高い評価を得ています。
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SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM実写レビュー。最高級の広角レンズを目指して実現した美しい描写と発色 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2
数あるサードパーティー製レンズの中でタムロンも高い品質を叶えるレンズ開発を行っていることで人気を集めています。
こちらのTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2も超広角の画角を実現しながら、ズーム全域でF2.8通しを叶えた明るく夜景撮影に最適なレンズです。
このレンズの特徴の一つとして、鮮やかで見栄えの良い発色があり、夜間の撮影においても色味に少し特徴がある仕上がりとなります。
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SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM
夜景撮影において、望遠レンズが活躍する場面も多いと言えるでしょう。
しかし、望遠レンズで明るさも兼ね備えたレンズは少なく、70-200mm F2.8クラスのレンズに選択肢がほぼ絞られると言えます。
70-200mm F2.8クラスの中でもシグマの70-200mm F2.8 DG OS HSMは、純正やタムロン製と比較しても夜間撮影で優れたレンズだと感じました。
レンズとしての画質はもちろん、低速シャッター時の手ブレ補正、強い光源に対するフレア・ゴースト耐性など、あらゆる面で高い能力を発揮します。
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夜景撮影の種類
いざ、夜景を撮影しようと思っても、どのように撮影すれば美しい夜景写真を撮影することができるのだろうと思う方も少なくないはずです。
ここからは、夜景撮影において基本のスタイルとなる3つをご紹介していきます。
1. 広角レンズを使用した広範囲撮影
夜景に限った話ではないですが、広角レンズを使って広範囲を写すことは、美しい写真へ近づける方法の一つです。
多くの光が写るオフィス街や駅前がおすすめ
夜景撮影で広角レンズを使用する場合は、ビルや街灯など、光源が多いオフィス街やターミナル駅周辺での撮影がおすすめです。
広角レンズは、多くの被写体が画角に入ることで写真との魅力が増すため、なるべく被写体が密集している場所を選んで撮影を行いましょう。
[2020最新]おすすめ広角レンズ12選。写真撮影の幅を大きく広げる広角レンズの選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
2. 動く被写体を追いかける流し撮り
夜間の撮影では、日中と比べて光源が非常に少なく、シャッタースピードを落とすことで光を集める時間を長くする必要があります。
動く被写体にピッタリ合わせる「流し撮り」
シャッタースピードが遅い状態で動く被写体を撮影すると、被写体の背景がブレた作品となり、これを「流し撮り」と呼びます。
流し撮りは被写体ブレを防ぐ必要があるため、非常に高い技術が要求される難しい撮影スタイルです。
初心者でもすぐ分かる「シャッタースピード」の基本。手ブレを抑えるために使う設定を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
3. 高感度撮影で風景も動く被写体も止める撮影
近年では、カメラの開発技術が向上し、暗い場所などで電子的に光を増幅させる高感度による撮影性能も優秀です。
最新のカメラを使うことで叶う高感度撮影
ISO感度を上げることで、光が電子的に増幅され、シャッタースピードを稼ぐことができることから、動く被写体を追いかけるもしくは画角に入るのを待った状態でも、背景も動く被写体もブレることなく撮影することが可能です。
ISO感度を上げることでノイズの増加が問題点として挙げられていましたが、カメラが新しくなるほど、ノイズの軽減技術も向上しています。
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三脚を使用する基本スタイル
基本的に夜景を撮影する場合は「三脚」を使用した撮影がおすすめです。
三脚にカメラを設置することで、手持ち撮影よりも安定感が増し、ブレを大幅に抑制することができます。
特に長時間露光撮影を行う場合は、三脚に設置した撮影が必須で、数秒間シャッターを開けた状態でも完全に固定することができるため、車など光跡を残した撮影は三脚を使用したスタイルで行われています。
流し撮りにも三脚使用がおすすめ
一方で流し撮りついても、基本的に三脚を使用することがおすすめです。
流し撮りの場合、縦軸と横軸両方被写体に合わせる必要があり、どちらかが少しでもずれたただけでブレブレの写真へと仕上がります。
三脚を使用することで、人間の筋力による僅かなブレも防ぐことができるため、流れ撮りなど、画角を固定しない撮影においても夜間の撮影では有効です。
レリーズを使用すると自然なブレも更に抑制
カメラを三脚に固定して、一定の画角でシャッタースピードの長い、長時間露光撮影を行う場合は、レリーズを使った撮影がおすすめです。
レリーズは、リモートコントローラーの役目を果たし、カメラのシャッターボタンに触れることなくシャッターを切ることができます。
夜景の撮影においては、カメラに少し触れたわずかな振動でもブレに繋がるため、レリーズを使用した振動を皆無にした撮影がおすすめです。
流し撮りはビデオ雲台がおすすめ
先ほど流し撮りにおいても三脚の使用がおすすめと記載しましたが、流し撮りの場合はビデオカメラ用などで販売されている「ビデオ雲台」の使用がおすすめです。
通常は動画撮影など、ビデオカメラへの装着が主流とされる「ビデオ雲台」ですが、流し撮りにおいて安定感と画角変更の滑らかさが特徴的なビデオ雲台は、流し撮りにおける成功率を大幅に上げてくれます。
高感度撮影で動く被写体も止める
光源の少ない夜間の撮影では、シャッタースピードが低下する傾向にありますが、シャッタースピードはISO感度を上げる高感度撮影を行うことで引き上げることができます。
例えばこちらのような画角は固定したまま、入り込んでくる飛行機を撮影する場合、飛行機は時速約250km/hで頭上を通過し、シャッタースピードは最低でも1/80秒は必要になります。
これを日中と同じようにISO100や400で撮影しても光量が圧倒的に足らず、真っ黒な写真へと仕上がります。
動く被写体によって必要なシャッタースピードは変化しますが、ISOを3200以上に設定することで夜間撮影におけるシャッタースピード確保に繋がります。
最新のフルサイズセンサー搭載モデルが圧倒的に有利
ISO感度を上げることでデメリットも生じてきます。
最大の問題は「ノイズの増加」で、ISO感度を上げれば上げるほど、画像上においてノイズが発生し、被写体の鮮明さ(ディティール)が著しく悪化します。
しかし、近年では高感度撮影時におけるノイズ軽減技術も向上しており、特にフルサイズセンサーを搭載した一眼カメラでは、ISO感度を上げた高感度撮影においてもノイズが大きく目立つことなく、自然な仕上がりを実現してくれます。
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星空撮影は更に特殊な設定が必要
夜の撮影において星空を撮ってみたいと思う方も少なくないはずです。
しかし、星空の撮影は通常の撮影以上に難しく、撮影機材や設定の他に、撮影場所の指定や気象など、あらゆる条件を満たしている必要があります。
星空撮影を行う場合は、高感度に強いフルサイズ一眼、開放絞り値が低い明るいレンズ(広角単焦点レンズが望ましい)、ISO3200以上、30~60秒ほどのシャッタースピードが要求されます。
しかし、一眼カメラだからこそ撮影できるシーンのため、星空がきれいな場所に行く機会があれば、ぜひ撮影に挑戦してみましょう。
星空撮影について更に詳しくこちらで紹介
初心者向け星空撮影テクニック!すぐ実践できる星空の撮り方とおすすめカメラ – Rentio PRESS[レンティオプレス]
コツさえ掴めば簡単に美しい夜景撮影が可能
今回ご紹介してきた夜景撮影ですが、コツさえ掴めば誰もが気軽に美しい写真を撮影することができるジャンルです。
日中の撮影と並行して、光煌びやかな夜景の撮影に挑戦することで、自身の作品の幅が広がるきっかけにもなるでしょう。
是非人気の撮影ジャンルである夜景撮影に挑戦して、美しい作品を撮影されてください。
夜景撮影に必要な機材はレンタルもできる
今回夜景撮影におすすめのカメラやレンズもご紹介してきましたが、それらを一度に揃えるためにはコストが膨大にかかります。
そこでおすすめなのが短期間お試しできるカメラのレンタルサービスです。
夜景撮影で使用する機材は、もちろん日中の撮影においても高い性能を発揮するモデルが多いですが、夜景だからこそ差が出る機材も多いです。
夜景を日頃から頻繁に撮影される方であれば、必要な機材と言えますが、あまり頻繁でない方はレンタルでの使用がおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、夜景撮影におすすめの一眼カメラやレンズを手軽にレンタルすることができます。
ぜひ美しい夜景撮影を行うために、Rentioで気になる機材をレンタルしてみてください。