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キヤノンでは、初心者やこれからカメラを始めたい方に向けた製品シリーズに「EOS Kiss」というものがあります。
EOS Kissは、低価格で初心者にも使いやすい、そんなカメラの代表格として人気を集める一眼レフカメラのシリーズです。
そんなEOS Kissにもシリーズモデルとして複数のカメラが販売されています。それぞれ価格や特長が異なるカメラですが、「どれを選ぶべきか分からない…」そんな方も多いと思います。
今回はEOS Kissシリーズの選び方として、それぞれのカメラの特長やおすすめする理由を比較しながらご紹介していきます。
もくじ
EOS Kissとは?
これからカメラを始める方にとっては、キヤノンの中でも色々なカメラがありすぎて戸惑うこともあるでしょう。
キヤノンの一眼レフには必ずEOSという文字が付きます。
EOSは1987年に本格的なオートフォーカスカメラの開発とともに誕生したシリーズ名で、現在に至るまで全てのキヤノン製一眼カメラに付いています。
エントリークラスに特化したカメラシリーズ
EOS Kissシリーズは、初心者などのエントリーユーザーに向けた製品として販売されています。
Kissという名前は、「Keep It Smart and Silent」の略称で、賢くて静かという意味を持っています。
エントリークラスに特化したカメラとして小型軽量で低価格を意識したカメラが多く開発されています。
近年発売されているEOS Kissシリーズのカメラでは、上級機から画質をなるべく劣らせることなく、操作面で初心者に優しい設計というのが至る所で見受けられ、エントリー向け一眼レフ市場では圧倒的なシェアを誇っています。
現行のEOS Kissシリーズ
2025年4月現在で現行モデルとして存在している現行EOS Kissシリーズでは1つのカメラが存在します。
- EOS Kiss X90 (2018年3月29日発売)
最新モデルであるEOS Kiss X10は、EOS Kissシリーズで最もスタンダードとされる製品です。
モデル名の後に「i」が付くEOS Kiss X9iなどは、スタンダードモデルとなるX9の性能向上版という位置付けになります。
しかしEOS KissシリーズにはX8というモデルは存在せず、X8iのみが製品化されました。
X7iの後継機としてX8iが登場しましたが、早々にX9iが登場し、その間に当時の大人気カメラであったEOS Kiss X7が後継機を発表せず、X9i発表後に後継機が登場したため、X8は欠番となりました。
2018年3月23日にはEOS Kissシリーズとして初のミラーレス一眼モデル「EOS Kiss M」が発売され、2020年11月27日には後継モデルとなる2代目の「EOS Kiss M2」が発売されました。
こちらはキヤノンが今後ミラーレス一眼にも力を入れていく姿勢の表れで、エントリーモデルとは思えないほどの性能や機能を搭載しています。
製品比較表
モデル名 | EOS Kiss M2 | EOS Kiss M | EOS Kiss X10 | EOS Kiss X10i | EOS Kiss X9 | EOS Kiss X9i | EOS Kiss X90 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
発売時期 | 2020年11月27日 | 2018年3月23日 | 2019年4月25日 | 2020年6月25日 | 2017年7月28日 | 2017年4月7日 | 2018年3月29日 |
有効センサーサイズ | APS-C | ||||||
撮像素子 | 高感度・高解像度大型単板CMOSセンサー | ||||||
カメラ部有効画素 | 約2410万画素 | 約2420万画素 | 約2410万画素 | ||||
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 | TTL二次結像位相差検出方式 | ||||
測距点 | 最大143点 | 9点 | 45点 | 9点 | 45点 | 9点 | |
測距輝度範囲 | EV-4~18 | EV-2~18(***) | EV-0.5~18(*) | EV-3~18(*) | EV-0.5~18(*) | EV-3~18(*) | EV1~20 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 | ISO100~6400 | |||||
シャッター速度 | 1/4000~30秒、バルブ | ||||||
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約7.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約6.0コマ/秒 | 最高約3.0コマ/秒 | |
液晶モニター | ワイド3.0型/TFT式カラー液晶モニター | 3.0型/TFT式カラー液晶モニター | ワイド3.0型/TFT式カラー液晶モニター | 3.0型/TFT式カラー液晶モニター | |||
画面サイズ/ドット数 | 約104万ドット | 約92万ドット | |||||
Wi-Fi | 〇 | ||||||
NFC | – | 〇 | – | – | 〇 | ||
Bluetooth | 〇 | – | |||||
大きさ | 約116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mm(CIPA基準) | 約116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mm(CIPA基準) | 約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm(CIPA基準) | 約131.0(幅)×102.6(高さ)×76.2(奥行)mm(CIPA基準) | 約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm(CIPA基準) | 約131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mm(CIPA基準) | 約129.0(幅)×101.3(高さ)×77.6(奥行)mm(CIPA基準) |
質量 | 約387g(ブラック) | 約387g(ブラック) | 約449g(ブラック) | 約515g | 約453g(ブラック) | 約532g | 約475g |
(*)中央F2.8対応測距点・ワンショットAF・常温・ISO100
(**)ワンショットAF・常温・ISO100
(***)常温23℃・ISO 100、EF-M22mm F2 STM使用時
気になったカメラは一度レンタルもおすすめ
初心者用のカメラには様々な種類が存在し、おすすめも好みによって違いが生じてきます。
今回の記事などを参考にして気になったカメラがあった場合でも、購入前に一度レンタルしてみることもおすすめです。
カメラは特に写りや使い方など、好みに左右される存在であるため、一定期間実際に自分で使ってみて自分に合っているかを確認することで安心できます。
Canon イオス(EOS) シリーズのレンタル – Rentio[レンティオ]
初心者が一眼レフを選ぶときに気をつけたいポイント
シリーズ内ではあまり性能差が出ない画質面や大きさと重さ
どの一眼レフにするべきか悩む方も多いと思いますが、
「製品仕様表を見ても分からないことだらけ…」
それもそのはず、カメラには専門用語が沢山使われているので、分からなくて当然です。
実はカメラ製品ページに大きく「約〇〇〇〇万画素」「常用最大ISO〇〇〇〇〇」などと大きく載せている、数字を見ただけでは想像できない性能は、気にする必要がありません。正直なところ、このEOS Kissシリーズではあまり差が出ません。
また、全てのカメラから選ぶのであれば、大きさや重さは重要な観点となりますが、EOS Kissシリーズは既に大きさや重さは考慮されているので、大きな差はありません。
選ぶ上で大切にするべきポイント
今回の選び方で大切なのは、
- それぞれのモデルのストロングポイントの見極め
- Wi-FiやBluetoothなどの通信機能の性能
の2つです。
5つのモデルそれぞれが特長を保有しており、買う人のニーズに合わせたモデルになっています。その特長やストロングポイントを知ることが大切になります。
そして近年流行するInstagramなどのSNSへアップロードは、一眼レフとスマートフォンをWi-FiやBluetoothで接続し転送することで簡単に行うことができます。
気軽に撮影した写真を身近なスマートフォンに移すというができるという機能も重要視したいポイントです。
以上のシリーズ全製品と気をつけたいポイントを踏まえて、EOS Kissシリーズのおすすめカメラを順に解説していきます。
従来モデルよりもAF性能を大幅に向上させた「EOS Kiss M2」※生産終了
2020年11月27日には、EOS Kissシリーズ初のミラーレス一眼として人気を集めた「EOS Kiss M」の後継モデル「EOS Kiss M2」が発売となりました。
従来モデルとなるEOS Kiss Mは、元々初心者に寄り添ったEOS Kissシリーズの中でも、小型・軽量を特徴とするミラーレス一眼で発売されたことで、大ベストセラーモデルとなりました。
オートフォーカスの性能で大幅に向上
EOS Kiss M2は、ピントを合わせるためのAF(オートフォーカス)性能で、従来モデルEOS Kiss Mよりも大幅な進化が見られます。
EOS Kiss M2では、特に人間や動物の目にピントを合わせる「瞳AF」の精度が大幅に向上し、AFを追従し続ける「AIサーボ」指定時や、動画サーボAF時にも対応しました。
これにより、動き回るお子さんやペットに対しても瞳AFの機能を使用することができ、より正確なピント合わせを実現しました。
細かい部分で機能も改善
EOS Kiss M2では、従来モデルよりも大幅に性能が向上した訳ではありませんが、細かい部分を中心に、よりEOS Kissのユーザに寄り添ったアップデートが行われました。
1つに、ファインダーを覗いたまま液晶パネルで被写体をタッチし、ピント合わせを可能としたことや、選択したAFポイントを液晶パネル上でドラッグすることでピントを合わせる場所を移動することができる機能が追加されました。
また、RAW記録において、ファイルサイズをよりコンパクトにした「C-RAW」型式での記録も可能とするなど、細かい部分ではありますが、使いやすさが向上しています。
[レンタル] CANON EOS Kiss M2 EF-M15-45 IS STM レンズキット – Rentio[レンティオ]
EOS Kiss M2の詳細レビューはこちら
Canon EOS Kiss M2実写レビュー。AF性能を向上させた大人気初心者向けミラーレス一眼の後継機が誕生 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
出し惜しみのない高性能エントリーミラーレス一眼「EOS Kiss M」※生産終了
2018年3月23日に新発売となったCanon EOS Kiss Mは、キヤノンがこれからミラーレス市場に本格参入すること姿勢を表す第一歩となったミラーレス一眼です。
EOS Kissシリーズ初のミラーレス一眼として、発売から1年以上経った今もなお売れ続けている大ヒットカメラへと躍進しました。
キヤノンの最新技術を十分に搭載
これまでキヤノンが発売してきたEOS Kissシリーズでは、徹底して一眼レフモデルにこだわり、性能もエントリー向けとしては十分なものの、ハイアマチュアモデルなどと比較すると劣るものでした。
しかし今回のEOS Kiss Mは、EOS Kissシリーズとしては初のミラーレス一眼で、性能に関しても出し惜しみを感じないカメラとなっています。
最新映像エンジンである「DIGIC8」を初搭載、最高約10コマ/秒(ONEショット指定時)の高速連写、オートライティングオプティマイザ性能の大幅向上による白トビ対策への強化など、写真撮影に関する悩みも大きく解決しているモデルです。
これらは最新映像エンジンDIGIC8の力がとても大きく、高感度撮影時でもノイズはほとんど目立つことがなく、ボディ内や連携した手ブレ補正と合わせると夜間でもキレイにブレを発生させずに撮影することができます。
思い通りの絵作りを実現「クリエイティブアシストモード」
発売日にEOS Kiss Mを試してみて目玉機能だと感じたのは新搭載である「クリエイティブアシストモード」でした。
こちらはシーンインテリジェントオートを指定したときに使用できる機能で、右下のカラフルな円と筆が描かれたアイコンをタッチすることで「背景のボケ具合」「明るさ調整」「コントラストの強弱」「色の鮮やかさ」「色合いの調整」「モノクロ化」などの項目を設定することができます。
この新機能により、「数値に頼らない感覚的な撮影」が可能となり、自分の頭の中で思い描いた写真を画面上のみで再現することができます。
撮影前のモニター表示(電子ビューファインダーでも可)にも仕上がりイメージが表示されるため、失敗することなく思い通りの写真を撮影することができます。
4K動画撮影が可能
EOS Kissシリーズとしてはじめて4K画質での動画撮影に対応しました。
キヤノンの一眼カメラとしても4K動画撮影を実現したのは2台目で、初搭載は上位モデルとなるEOS 5D MarkⅣでした。
近年では一眼カメラによる動画撮影も注目され、4K動画撮影性能の搭載が増えてきています。それでもまだ少数で、EOS Kiss Mは先駆けて4K動画撮影に対応したと言えるでしょう。
また4K動画に対応したことで解像度自体も大幅の向上し、動画の中から静止画として切り出すことも可能になりました。
家電レンタルRerntioでは、下記URLよりEOS Kiss Mの短期レンタルも可能です。各種レンズセットも取り揃えております。
[レンタル] CANON EOS Kiss M ボディ ミラーレス一眼 ブラック – Rentio[レンティオ]
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新たな王道モデルへ!更なる軽量化を実現した「EOS Kiss X10」※生産終了
2019年4月10日に発表されたEOS Kiss X10。
これまでEOS Kissシリーズでは、王道のスタンダードモデルとしてEOS Kiss X9が存在し、2017年7月に発売されていましたが、2年も待たずして後継モデルが2019年4月25日に発売となりました。
EOS Kiss X9から更に軽量化を実現
軽さが重要視される初心者カメラ市場においてEOS Kissでは歴代シリーズを通して小型・軽量のボディ開発を進めてきました。
従来モデルであるEOS Kiss X9では、可動式の液晶モニター搭載一眼レフとして世界最軽量を実現したとご紹介しましたが、今回新発売のEOS Kiss X10ではその記録を更に更新し、新たな可動式の液晶モニター搭載一眼レフとして世界最軽量モデルを実現しています。
さすがに歴代のEOS Kissシリーズで最軽量モデルであったEOS Kiss X7を超えることはできませんが、一眼レフカメラとして非常に小さく軽い、携帯性に優れたモデルであることは間違いありません。
更に快適な撮影を実現する進化したAF性能
近年のカメラでは劣っている性能を見つけることが難しいほど高性能を実現していることが多いですが、それぞれで性能差があることは間違いありません。
写真撮影において重要となるピント合わせを左右するAF性能は、EOS Kiss X10では大きな進化を遂げています。
最新の映像エンジン「DIGIC8」を搭載してことにより、よりピント合わせの速度と精度が向上し、突然訪れるシャッターチャンスにおいてもピントを正確で瞬時に合わせてくれます。
また、新機能として人物の顔が画角内に入った場合、「瞳」の部分を検知して自動でフォーカスしてくれます。
EOS Kiss Mで話題を呼んだクリエイティブアシストを搭載
初心者向けカメラとして撮影におけるサポートも充実しています。
EOS Kiss X10では、2018年発売のEOS Kiss初のミラーレス一眼カメラであるEOS Kiss Mで新たに搭載され、話題を呼んだクリエイティブアシストを一眼レフとして初めて搭載しました。
タッチ操作に対応したバリアングル液晶を使用することでスマホ感覚で思い通りの仕上がりを実現する便利機能です。
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Canon EOS Kiss X10実写レビュー!初心者向け最新モデルを現役カメラマンが使って徹底解説 – Rentio PRESS
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EOS Kissシリーズにおける上位モデル「EOS Kiss X10i」※生産終了
先ほどご紹介したEOS Kiss X10に「i」が付けられたEOS Kiss X10i。
EOS Kissシリーズにおいて「i」の文字が付けられたモデルは上位モデルとして存在し、シリーズの中でも性能が高いモデルとなります。
初心者向けとは思えないAF性能を実現
他のEOS Kissシリーズにおけるモデルと比較して、圧倒的に違いを感じるところは「AF性能」です。
自動でピントを合わせるための機能「AF(オートフォーカス)」は、カメラによってピントを合わせる速さや、正しくピントを合わせる精度などに差が出てきます。
EOS Kiss X10iでは、中級モデルなどに搭載されることの多い「オールクロス45点AFセンサー」を搭載し、被写体がファインダー内で右往左往する場合でも、ピントを外すことなく、正確に合わせてくれます。
また、「EOS iTR AF」と呼ばれる人物の顔を検知してピントを合わせてくれる機能も搭載され、ポートレート撮影などにも活躍するモデルです。
決定的瞬間を逃さない高速連続撮影性能
EOS Kiss X10iでは、優れたAF性能に加えて、最高7.0コマ/秒の高速連続撮影性能も実現しています。
例えば動く被写体を追いかけるとき、決定的瞬間を残すためにはできるだけ多くのシャッターを切りたいところです。
そんな時、1秒間に切ることのできる枚数が多いほど、ベストな瞬間を切り取ることができ、EOS Kiss X10iで実現している最高7.0コマ/秒の性能というのは非常に優れていると言えます。
この性能はお子さんの運動会や、乗り物の撮影などに適しており、動きものの被写体が多い方にとってEOS Kiss X10iは、EOS Kissシリーズの中でも理想的な存在と言えるでしょう。
高い性能を実現しながら初心者に優しい操作性
EOS Kiss X10iは、他のモデルと比較して高い性能を実現していますが、EOS Kissの根本的な概念である初心者に寄り添った簡単撮影もしっかり実現しており、誰もが簡単に美しい写真を撮影できる機能が整っています。
撮影モードの解説となるビジュアルガイドでは、写真やイラストを使用した紹介となっており、一目見てどのようなモードであるかを理解することができる優しい機能です。
更にEOS Kiss Mで初めて搭載されたことで話題を呼んだ、撮影設定をスマートフォン感覚のタッチ操作で行うことができる「クリエイティブアシスト」も搭載し、液晶画面を見ながらお好みの画作りを行うこともできます。
[レンタル] CANON EOS Kiss X10i ボディ 一眼レフ – Rentio[レンティオ]
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Canon EOS Kiss X10i実写レビュー。人気初心者向けシリーズの最新上位モデルの実力を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
エントリー一眼の王道!迷ったらコレ「EOS Kiss X9」※生産終了
先ほどでもご紹介した通り、EOS KissシリーズでスタンダートとされているのがEOS Kiss X9です。
EOS Kiss X10が登場するまでEOS Kissシリーズの代表モデルとして存在し、世界最小一眼レフとして爆発的なヒットを遂げたEOS Kiss X7の後継機として登場しました。
可動式の液晶モニター搭載一眼レフとして世界最軽量を実現
従来モデルであるEOS Kiss X7から小型軽量ボディを継続して採用しています。
EOS Kiss X7での欠点として挙げられていた固定液晶ですが、EOS Kiss X9では、しっかり改善され、液晶の角度や方向を変えることができるバリアングル液晶を採用しました。
バリアングル機能を使えば、自撮りをする際も液晶を自分の方に向けて確認しながら撮影することができるようになりました。
色によって若干重量の変化はありますが、ブラックで453gとバリアングルの採用など可動式液晶モニター搭載一眼レフ製品の中では世界最軽量を実現しました。
しかし、この記録も2019年4月25日発売となる後継機EOS Kiss X10によって更新されます。
大きさもとても小さいのが特長です。成人男性であれば片手の中におさまってしまうほどの小ささは、鞄などに入れる際にも場所を取りません。
前モデルでウィークポイントであった通信機能も大幅に改善
注目項目である通信機能ですが、従来モデルであるEOS Kiss X7ではWi-Fi機能すら搭載していませんでした。
EOS Kiss X9になり、この点はしっかり改善され、Wi-Fi、NFC、Bluetoothを新たに搭載して、スマートフォンアプリ「Canon Camera Connect」と連携することで画像転送やリモート撮影はもちろん、InstagramなどへのSNSアップロードもその場で行うことができます。
撮影をサポートする充実の機能
その他にもカメラの設定などが視覚的にわかるガイドメニューや撮影したいイメージで自由にフィルターをかけることができる「クリエイティブフィルター」、シーンを選択することによって自動的にシーンに合わせた設定をカメラが自動的に行ってくれる「スペシャルシーンモード」など、EOS Kiss独自である初心者がはじめに選ぶデジタル一眼レフとして最適な性能や機能を搭載しています。
[レンタル] CANON EOS Kiss X9 レンズキット 一眼レフ – Rentio[レンティオ]
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現役カメラマンが実機を使って感じた”Canon EOS Kiss X9″最新レビュー!先代EOS Kissから飛躍的な進化 | RentioPress
オートフォーカスで差をつける!EOS Kiss上位モデル「EOS Kiss X9i」※生産終了
2017年4月7日に発売されたEOS Kiss X9i。先ほどの通り「i」が付くモデルは、シリーズ内でも上位モデルとなっています。
基本的にはEOS Kiss X9と同じ性能となっています。
EOS Kiss X9では小さすぎる人にはフィット感向上
出来る限りの小型軽量を意識したEOS Kiss X9と比較して、EOS Kiss X9iでは少しボディサイズが大きくなっています。
実はX9では可能な限りボディサイズを小さくしたため、手が大きい方にとってはフィット感が逆に悪くなってしまう場合もありました。
X9と比較して70gほど重くなりますが、X9iは小さすぎでX9と合わなかった方にもよりフィットしやすいモデルとなっています。
中級機にも搭載される高性能オートフォーカスシステム
EOS Kiss X9iの最大の特長は、中級機にも搭載されているオートフォーカスシステムです。
EOS Kiss X9では、ピントを合わせるための領域となる測距点が9点のみですが、EOS Kiss X9iでは45点と約5倍のピント領域を実現しています。
ピント領域が広がるほど動くもの(被写体が画面端に行ってしまっても領域内となるため)の撮影に強くなり、撮影に有利となります。
また、暗い場所での撮影時にオートフォーカスが正しくピント合わせできるかどうかの性能でもX9iはX9よりも力を発揮します。
動く被写体に強い、EOS Kissシリーズの上位モデル
動きものや一瞬を逃さないための連写性能では、EOS Kiss X9の5コマ/秒に対して、EOS Kiss X9iは6コマ/秒と1コマほど秒間で多く撮影することができます。意外にも1コマ/秒の差は大きいです。
以上の特長を踏まえると、EOS Kiss X9iは、ピント合わせや動きものの被写体へ対応を強化したカメラだということが分かります。
運動会や飛行機、鉄道などの乗り物系には、オートフォーカスは重要な性能となるため、X9よりもおすすめできるカメラです。
通信機能も最新の性能を
前モデルであるEOS Kiss X8iでは、Wi-Fi機能とNFCは搭載していましたが、EOS Kiss X9iでは、Bluetoothの搭載も実現しました。
これにより、今までよりも高速で簡単にスマートフォンと接続することができるようになりました。
予算に少し余裕があり、動くものの撮影や暗い場所での撮影を考えている方は、このEOS Kiss X9iがおすすめです。
価格重視派はコレ!最廉価モデル「EOS Kiss X90」
2018年3月29日発売のEOS Kiss X90。
EOS Kiss Mと同時に発表された影響もあり、目立たないデビューとなりました。他のモデルと比較すると物足りない性能ですが、安さが一番の特長です。
元々EOS Kissシリーズの中でも最廉価モデルとして開発されたEOS Kiss X〇〇シリーズですが、他のEOS Kissシリーズと比較しても、あらゆる面での性能をカットしたシリーズになります。
安価を実現するためにカットされた機能や性能
従来機EOS Kiss X80と比較すると画素数は大幅に向上し、2410万画素と他のラインナップにも引けを取らない性能です。
しかしオートフォーカスの面では、他のモデルと比較して大幅に劣る性能です。
近年のキヤノンカメラで搭載されているデュアルピクセルCMOS AFは非搭載で、オートフォーカスの速度に若干の差が出ます。
しかし、オートフォーカスの性能を全く考慮していないわけではなく、暗い場所や被写体によって差が出るのみで、一般的な風景写真やスナップ程度では差をほとんど感じることはないでしょう。
また暗い場所での撮影に有効的な常用ISO感度範囲も狭くなり、AF性能を考えても暗い場所での撮影にはあまり向いていないでしょう。
液晶に関しても、コストがかかるとされているバリアングル方式は採用されず、固定ディスプレイとなっています。
Wi-Fi機能は装備
従来機EOS Kiss X80同様に通信機能の面では、Wi-FiとNFCは搭載しています。
しかしEOS Kiss X90として発売された今なおBluetoothの搭載はなく、通信に関しては時間を要したり、手間がかかる場合があります。
あらゆる面で他モデルより性能が劣るが、低価格を実現
気になる大きさや重さですが、廉価版であるものの大きさはEOS Kiss X9よりも大きく、重さも20gほど重い仕様です。
従来機EOS Kiss X80からリニューアルされた後も、多くの性能面で他のカメラから劣る形となります。
しかし、先ほどからお伝えしている通り、初心者が手頃に購入できて簡単に操作ができるカメラを意識しているため、価格に関しては圧倒的安さで販売されています。
X9iより安価、それでもX9より高性能「EOS Kiss X8i」 ※生産終了
最後にご紹介するのは今回のEOS Kissシリーズでは最も古いカメラとなる「EOS Kiss X8i」です。
発売は2015年4月17日。後継機であるEOS Kiss X9iは先ほどもご紹介した通り、性能を向上させて既に登場しています。
既に生産が終了したかつての上位モデル
「i」が付くモデルとしてEOS Kissシリーズでは上位機種になりますが、発売が古いこともあり、高性能カメラと名乗るには苦しくなってきました。映像エンジンは2世代前となり、根本的な写真として仕上げる頭脳部が古い設計になっています。
しかし冒頭でもご紹介した通り、EOS Kissクラスの現行モデルでは画質に関する性能はほとんど気にする必要はありません。
暗い場所では差が出ることもありますが、InstagramなどのSNSにアップロードするための場合は、影響はほとんどありません。
最新モデルよりも性能によっては優れているところも
そして実は現行最新モデルであるEOS Kiss X9よりも高性能な部分も存在します。
X9iでもご紹介したオートフォーカスの性能は「i」の代名詞的性能で、X8iでも当時の中級機クラスのオートフォーカス性能を搭載しています。
測距点は9点のX9と比較してX8iは19点と上回っています。
エントリー機と中級機では大きな差があるので、世代が古いX8iでもオートフォーカスの性能では優れています。
最新の性能を求めなければ選択肢の一つとして候補に
Wi-FiとNFCは搭載されていますが、Bluetoothは未搭載です。
大きさや重さはX9と比較して大きく、60gほど重い結果となりましたが、EOS Kiss X9よりも少し安い値段でオートフォーカスの性能を重視するのであれば、選択肢の一つとして候補に挙げることも良いでしょう。
EOS Kiss X8iの使い勝手はこちらでチェック
Canon EOS Kiss X8iは子どもの撮影に向いてる?七五三撮影で検証してみました – Rentio PRESS[レンティオプレス]
まとめ
これまでEOS Kissシリーズに関する製品比較を解説してきました。一見似ているような名前でも、それぞれ違った特長を持っていることを分かって頂けたら幸いです。
結局選ぶべきEOS Kissは?
色々ご紹介してきましたが、自分に合った特長を知り、買いたいモデルが定まった方もいらっしゃると思います。逆に比較してみて特長や欠点のバランスが難しく、迷う要素が増えてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
もう一度、EOS Kissシリーズ内で選ぶ際に頭に入れておきたいポイントをまとめとしてご紹介します。
- 現行EOS Kissシリーズでは、画質面で大きな差はない
- 「各カメラのストロングポイント」「通信機能性能」をチェックする
- EOS Kiss M2は、従来モデルEOS Kiss MよりもAF性能を向上させ、動きのある被写体も得意に
- EOS Kiss Mは、シリーズ初のミラーレス一眼カメラとして小型・軽量・高性能を実現
- EOS Kiss X10は、X9から順当に性能を向上させたシリーズ最新モデル
- EOS Kiss X10iは、シリーズの上位モデルとして優れたAF性能や高速連写を実現
- EOS Kiss X9は、スタンダードな性能を保有した王道モデル
- EOS Kiss X9iは、X9より高性能な上位モデル。オートフォーカスが高性能
- EOS Kiss X90は、価格重視派におすすめのモデル。現行モデルでは最安値
「どのストロングポイントが自分にとって魅力的か」というのがカメラ選びの決め手になります。
ピント合わせ技術が高性能なのが魅力的か、安いのが魅力的か。自分の直感も大切にしてくださいね。
写真撮影に慣れてきたら新しいレンズを選ぼう
EOS Kissはカメラライフのスタートに最適なカメラとご紹介してきましたが、慣れてくるとともに「撮りたいシーン」というのも増えてくるでしょう。
そんな時はそのシーンに合ったレンズを追加で購入してみましょう。
下記記事では、そんなレンズ購入においてステップアップに最適なレンズを広角、超望遠、単焦点を中心にご紹介しています。
EOS Kissシリーズにおすすめレンズ6選!キットレンズでは物足りないシーンで活躍するレンズ特集 – Rentio PRESS
改めて今回ご紹介してきたEOS Kissの紹介記事が皆さんにおける一眼レフ生活のスタートに役立てば幸いです。
気になったらまずはレンタルでお試し
家電レンタルサービスRentioでは、今回ご紹介したEOS Kissシリーズをはじめ、様々なカメラや家電製品を3泊からレンタルしています。
EOS Kissシリーズも取り揃えているので、購入に迷った際はレンタルから試してみるのも一つです。